田舎に移住して飲食店やゲストハウス、民宿、ペンションなどで独立・開業・経営したい人が増えてきています。
しかしながら、開業した人の約7割が3年以内に閉店してしまっているというのをご存じですか?
これは、開業するのは簡単で、経営するのはとても難しいという事をあらわしています。
この記事では、私自身の実体験に基づき感じた、失敗しないコンセプトの作り方を解説していきます。
一番楽しい所でもあり、一番難しい所でもあります。
このコンセプト設計次第で成功するか失敗するかの8割が決まります。
この章では「失敗しないコンセプトの作り方」を細かく解説していきますので、じっくり読んで実践してみてください。
1 コンセプトを作る目的は?
まず、なぜコンセプト作らなくてはならないのでしょうか?
コンセプトを作る目的は3つあります。
コンセプトを作る一番の目的は「あるべき姿(目標)」を作る事なのです。
これは、あなたのお店は「誰に」「どういう状態になって欲しい」お店なのか?
という「状態目標」を作る事なのです。
例えば、
男性サラリーマンに、お酒を沢山飲んでもらい「また来週来るね!」と言われるお店。
のように設定したとします。
そうする事で、メニューや価格など、男性サラリーマンが好むものは何か?を考えながら、お店を作るようになります。
逆に「状態目標」が無い場合、メニューや価格など、誰に向けて、どう設定したら良いかわからなくなってしまいます。
これを決める事がコンセプトを作る一番の目的なのです。
そして、あと2つの目的は、事業計画を作る事で、周りの方々や金融機関に、あなたがどういうお店をやりたいのかを伝える事が出来るようになります。
これが無いと、周りの人への説明、説得もできず、独立開業するスタートラインに立つ事も出来ません。
明確に言葉に出来るように設定していきましょう。
この後は、具体的にコンセプトを作る方法を解説していきます。
2 どうして独立開業・起業したいのか?を考えてみましょう。
実は、飲食店や宿で失敗してしまった人の一番の原因がここにあるのを知っていますか?
そう、まずは独立開業・起業する意味、目的を明確にする事。
これが重要なのです。
ではなぜ目的を明確にする事が重要なのだと思いますか?
飲食店や宿は自分の身近にある業界なので「自分だったらこうするのに」とか「もっとこんなメニューがあったらいいのに」とか「こんな感じの内装だったら流行りそう」とか自身のアイデアやひらめきが開業のきっかけだったりする人も多いのではないでしょうか。
更に最近では、居抜き物件や中古の厨房機材の物流も増え、個人でも開業しやすい環境が出来はじめています。
とはいえ、お店を開くにはそれ相応の資金が必要ですし、パッとでたアイデアだけで成功するほど簡単ではありません。
美味しい料理を出すだけでも、良い雰囲気だけでもダメなのです。
外食産業や宿泊産業は、成功すれば夢のような世界が広がっているのも事実です。
しかし、経営が苦しくなった時に振りかえるのがこの「なぜ独立開業したかったのか?」
時代背景や市場規模なども踏まえて、この事業に取り組む目的を言葉で説明出来る事が重要です。
この事業で起業する「目的」がアヤフヤだと踏ん張れないのです。
私は、千葉の一宮でpole poleという気軽に泊まれるレストランを経営していました。
お店を経営する前の私は、サーフィンが大好きで、毎週末、海に行きリフレッシュし、また平日は仕事を頑張るというライフスタイルを送っていました。
しかし、サーフィンをやらない人は中々、リフレッシュするきっかけが少ない。
もっと気軽にリフレッシュ出来る場所を作る事で、今よりも、もっとHappyな世の中になるのではないか?
というのが起業した目的でした。
しかし、初めは中々売り上げも上がらず苦しい毎日を過ごしていました。
そんな時に、この起業した目的を思い出し「もう少し認知が上がれば絶対にHappyな世の中になる!」と歯を食いしばって頑張る事ができました。
あなたも、今一度、起業する「目的」を明確にしてみましょう。
3 あなた自身の強みを見つける
自分のお店を成功させる為に、まず自身の強み「ウリ」を見つける所から始めましょう。
今まで経験してきた、趣味、仕事、プライベートの中から一番時間を費やしたことや、今まで人から「すごいね!」と言われた事、今までに一番ワクワクした事などを書き出してみましょう。
そこに出てきた事があなた自身の強み「ウリ」となります。
そのあなただけの「ウリ」をお店のコンセプトに入れる事で、他のお店には無い差別化になります。
例えば、
本を読む事が好きな人であれば、「本を読みながらお酒を楽しむ店」などでもいいかも知れません。
私のように、サーフィンが好きな人であれば、店のコンセプトに「サーファーが海上がりに行きたい宿」というのを軸に考えても良いかも知れませんね。
一度じっくりと自分自身の強みを振り返ってみましょう。
4 ターゲットを設定する
「ターゲットを設定する」という言葉はよく耳にしますね。
「30代~40代の女性をターゲットに作った商品です」とか。
あなたがチェーン店を出店したいのであればそれぐらいの設定でも構いません。
もしあなたが、「失敗したくない」と本気で考えているのであれば、もっともっと細かくターゲットを絞り込んで下さい。
ドラマ「北の国から」で有名な倉本聰さんはドラマの登場人物の履歴書を作ってから制作に入るそうです。
だからこそ、他のドラマでは感じられない、細かい描写やセリフ回しなどの「唯一無二の倉本さんワールド」が生まれるのですね。
4-1 ターゲットを設定する極意
では、これから飲食店・ゲストハウスで独立開業したい人が、どうやって自分のお店のターゲットを絞り込めば良いのか、その極意をお伝えしましょう。
それは「ターゲットを実在する人物一人に絞る事」です。
実在する人物をターゲットにする事でより細かい差別化を図る事が出来るようになります。
そして、1人に絞り込んだらその人の履歴書を作りましょう。
この履歴書を作る事を「ペルソナ」を設定すると言います。
・名前
・生年月日
・住所
・出身地
・学歴
・職務経歴
・現在の職業
・年収
・婚歴
・配偶者の有無
・趣味
・特技
・読んでいる雑誌
・その他
細かければ細かい程良いです。
お店に来て欲しい人の事をじっくりと深堀しましょう。
このようにターゲットを一人に絞り込み「ペルソナ」を設定、その人が喜ぶお店のコンセプトを作る事で、
「このお店は私が行きたかった店だ!」
更には「私の店だ!」
と言ってもらえるような、強烈なファンを作るお店になるのです。
これが失敗しないお店にする重要な部分なのです。
4-2 何を提供する店にするかを決めるポイント
ターゲットを絞り込んで、その人の性格まで見えて来たら、その人に「何を提供したら喜んでもらえるか?」を決めましょう。
その為のポイントとして「ターゲット」の「悩み、欲望」を30個書き出す事です。
「悩み、欲求」=「解決したいニーズ」
なのです。
その「ニーズに答える」=「何を提供するか」なのです。
これであなたのお店が「誰」に「何を」提供するお店なのかが決まりました。
そうです、これがコンセプトの骨子になります。
次の章ではコンセプト設計についてもう少し詳しく解説していきます。
5 コンセプトを作るポイント
事業を始めるにあたって、「あなたの事業のコンセプトは何ですか?」とよく聞かれる事があると思います。
コンセプトとは「戦略」と「戦術」を明確に言葉にしたものです。
そこで今回はコンセプトを言葉にする方法を解説していきます。
5-1 戦略と戦術を練る
「ランチェスター戦略」というのをご存じですか?
独立・開業で失敗したくない人は絶対に知って欲しい考え方なので、簡単に解説します。
ランチェスター戦略とは第一次世界大戦の時に戦闘機の開発に従事していたランチェスターというイギリス人が体系的にまとめ、日本では1970年代、企業コンサルタントの故田岡氏が集大成させ、トヨタや松下、イトーヨーカドー、ブリジストンなどが実践し、成果を収めた戦略です。
50年近く前の戦略理論だから古くて使えないのでは?
と思われるかも知れませんが、ランチェスター戦略は「原理や法則」を説いたなのでもので決して古びるものではありません。今でも「小が大に勝つビジネス戦略」として最も有効な戦略であると考えられています。
お店が成功するか、失敗するかの80%はこの開業前に定める「戦略」と「戦術」で決まります。
ここでは、ランチェスター戦略に基づいて、戦略と戦術を練るポイントを解説致します。
① 市場を見極める(戦略)
まず「戦略」を練りましょう。
「戦略」とはどこで戦うかを決める事です。
一番の競争戦略は何かご存じですか?
それは競争に巻き込まれないことです。
「戦わずして勝つ」
競争にならない事こそが「究極の競争戦略」なのです。
原理原則として、自分より大きい(強い)相手とは戦わない。
市場を見極める事=戦う場所を決める事
が「戦略を練る」という事なのです。
ここでは
・強い相手をは戦わないと言う分かりやすい例
・外食・宿泊市場の現状
・成功例・失敗例
・市場を見極める方法
を順を追って説明します。
Ⅰ.新規参入の難しい、熾烈なコンビニ市場
大きい相手とは戦わないというイメージを理解してもらう為に、まずコンビニ市場を説明しましょう。
この市場はご存じの通り、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンといいう超大手が殆どのシェアをとっている市場です。
このコンビニ市場に新規参入してもまず勝てるイメージがわかないでしょう。
自分より大きい相手とは戦わないというのが良くわかりますね。
次に外食、宿泊業はどうか?を見ていきます。
Ⅱ.寡占化されていないチャンスのある外食、ゲストハウス(民宿、ペンション)?
外食産業や宿泊業(ゲストハウスや民宿、ペンション)の市場規模はどうでしょうか?
外食産業全体では約25兆円(日本フードサービス協会H29.7より)もある大きな市場なのですが、ゼンショーHD、すかいらーく、コロワイドなど大手5社で6%ほど(業界動向サーチH27-28年度版より)しか寡占されていない業界なのです。
すなわち、この数値だけ見ると、外食産業の殆どが中小のお店がひしめき合っている業界で大手が少ない「参入余地のある業界」と言えなくも無いです。
民宿ペンション業界は750憶円(レジャー白書H28より)と規模は大きくありませんが、この業界は大手が全く入っていません。
なのでゲストハウス・民宿・ペンション市場も、これから参入するチャンスがある市場と言えるでしょう。
しかしここで注意をしなくてはなりません。
チャンスがあるとは言え、その中で更に市場が分かれています。
特に外食産業の中には、居酒屋市場、焼肉市場、ラーメン市場、ファミレス市場…などなど
その中を見ると、大手や強い相手がうようよいます。
何も考えずに「やりたいと思った事を好き勝手にやる」とうまく行かない理由はここにあります。
ここから重要なのは、この市場を細分化し、更に敵の少ない市場を見つけ出す事です。
「お客様のニーズがあり、参入者が少ない市場」
これを見つける事が出来れば、成功する確率はグンと上がります。
次は市場を細分化し、市場を見極めて「成功した例」と見極め切れずに「失敗した例」をご紹介します。
Ⅲ.お客様のニーズのある市場を見つけたサイゼリア
サイゼリアがなぜイタリアンをやろうと思ったのかご存知ですか?
それは、世界で消費量の多い=マーケットの大きい食材(トマト、小麦、オリーブオイル)を組み合わせると、イタリアンだったそうです。
凄く俯瞰した市場の見方ですね。
マーケットが大きいであろうイタリアン。
そしてイタリアンに特化したファミレスはまだ無い。
という市場を細分化し見極めた事で、瞬く間に成長した成功例です。
お客様のいない市場ではダメですよ。
「当然そんなのわかっているよ」
と言う人も多いのですが、意外と罠に引っかかってしまう人も多いのでくれぐれも気を付けてください。
いくら競合がいないと思っても、お客様がそこにいない(お客様に評価されない)市場では必ず失敗します。
次は失敗した例を説明します。
Ⅳ.お客様のニーズが無い市場では有名人だろうが失敗する
これもわかりやすい例ですが、一昔前、有名なお相撲さんが現役を引退した後「ちゃんこダイニング」をやっていたのですが、あえなく撤退。
冷静に考えると分かるのですが、一番の原因はそもそも、
「高級なちゃんこ鍋を食べたい」という市場(お客様のニーズ)がない。
という事なのです。
消費者目線で理解していれば、閉店は避けられたはず。
しかしこの「ニーズがあるか?」という視点が意外と抜けてしまう視点なのです。
この視点が抜けてしまうと、いくら認知度の高い有名人だろうが、なんだろうが失敗してしまうのです。
Ⅴ.市場を見極める方法とは?
では「お客様のニーズが大きくて参入者が少ない市場」はどこにあるのか?
それを考える(戦略を練る)のが経営者の仕事です。
これを自ら見つけられないのであれば、独立開業は諦めた方が良いと言っても過言ではありません。
もし、誰かに教えてもらいたいと思うのであれば、フランチャイズに加盟する選択肢がありますので、そちらをお勧めします。
厳しい言い方になってしまったかも知れませんが、
「小が大に勝つ」これが独立・起業・経営する楽しさでもあります。
「起業・開業する目的を決め」、「ターゲットを絞り込み」、「そのターゲットのニーズに答える為に」、「どの市場を攻めるか」を決める。
自ら市場を切り開く事こそ醍醐味なのだと思います。
是非、その醍醐味を味わってみてください。
② 差別化を図る4つの視点(戦術)
市場細分化する事で、戦う場所を見つけ、次に、その場所で「No1」になる為の「戦術」を練りましょう。
「戦術」とは「差別化を徹底的に図る事」です。
飲食業や宿泊業で差別化を図る視点は大きく4つ。
「商品」×「価格」×「サービス」×「エリア」です。
ここで重要なのは、前述したターゲットのニーズと照らし合わせて、徹底的に考え抜き、掛け算で他社にはまねのできない業態を作り上げる事です。
Ⅰ.「商品」の差別化
今は色々な商品が出てきているので中々差別化を図るのは難しくなってきていますが、知恵を絞ればまだまだ余地はあります。
例えば数量限定とかにも人は弱いです。
最近とても人気が高まっている、吉祥寺にある「肉山」。
メニューは5000円のコース1本。席も12:00、17:00、20:00と一日3回転だけ。
限定感満載で、中々予約が取れない事でも有名。
もちろんこれだけではなく、他にも差別化が沢山あるお店だからこそ、予約が取れないお店になっているのですが、提供数が少ないと言うのは予約が取れたら絶対にキャンセルしたくないという心理が働きます。
一日1組限定とかで人気のある宿もありますね。
既存のターゲットを変えてみるというのもあり。
例えば「スィーツ男子」、「肉女子」。
今までのメインターゲットを真逆に振ってみたりすると、新しい市場が生まれる可能性が高まります。
業界は違いますが、「女性用カツラ」、「男性用エステ」などのヒットもそれにあたりますね。
商品の差別化はアイデア次第、ここがあなたのセンスの見せ所じっくり考えてみましょう。
Ⅱ.「価格」の差別化
価格の差別化と言えば、吉野家やユニクロ、ダイソーのような価格破壊を思い浮かべる人も多いと思います。
しかしながら、価格の差別化とは、単に安くすると言う事ではなく「強者と違う価格帯にする事」と頭に入れておいて下さい。
「弱者の安売りは危険」です。
強者がそれに当て込んで来たらそれで終わりです。
業界は全く違いますが、分かりやすい例として、LCC(ローコストキャリア格安航空会社)のお話しを。
日本で初期に立ち上がった「AIRDO」は札幌と羽田を格安で飛ぶ航空会社として、一躍有名になりました。
しかし、価格以外の差別化がない、と言うよりも他社より脆弱だった為、大手航空会社が早割りなどで同じ程度の価格に下げた事により、あっという間に経営が悪化、民事再生を申請する事となってしまいました。
このように、安く売るだけでは大手にミート(一騎打ちに)されたら手も足も出せません。
そうではなく「小が大に勝つ」には「どうしたら高く売れるか?」を考えていきましょう。
大げさな例ですが、1000万円の世界一周旅行とか、10万円の基礎化粧品が売れたりするのですから。
値引きするにしても、ただ安くするだけなら、たいした差別化にはなりません。
昔、ANAが「50人に1人無料キャンペーン!」というのをやっていて大ヒットしました。
しかし、冷静に考えてみると、全体の割引率はわずか2%です。
例えば「1000円のランチが980円に!」これも同じ2%の割引です。
どちらがインパクトありますか?
割引はあくまでもインパクトを与えて「口コミをしてもらうのが目的」であると頭に入れておきましょう。
Ⅲ.「サービス」の差別化
弱者は強者が面倒がってやらない、きめの細かいサービスをし、顧客に密着する事です。
私が良く行く個人がやっている居酒屋さんがあります。
そこに行くと、何も言わずにビールが出てきて「今日すごく脂のってるから食べてみて!」と地元で採れたアジの刺身が出てくる。
頃合いを見計らって次の料理も出てきます。
このお店で料理を注文をしたことなんて一度もありません。
もしチェーン店が、こんなサービスをやってきたらひとたまりもありません。
が、「大丈夫です。安心してください。」チェーン店では絶対に出来ませんから。
それが、個人店の良さなのです。
いくら大手でもマニュアルで縛るサービスでは、絶対に出来ないのです。
あなたにしかできない、顧客に密着したサービスで差別化を図ってみてくださいね。
Ⅳ.「エリア・場所」の差別化
出店するエリア・場所を考える。
No1になるには地域を絞る事は戦略として強い差別化になります。
飲食店出店の場合、駅で考えるならば、ターミナル駅は競合ひしめく激戦区。
逆に各駅しか止まらない駅とかが、ニッチな場所と言えます。
最近では駅から10分以上とか離れた場所、いわゆる「隠れ家」でも繁盛しているお店もあります。
大阪にはあるけど、東京には無い店とかも差別化になります。
基本は競合の少ない場所に出店すると勝ちやすいと考えがちなのですが、ここで注意しなくてはいけない「エリア戦略2つの原理原則」があるので押さえておきましょう。
・大きな市場の業態はニッチな場所
・ニッチな業態は繁華街
飲食業で大きな市場のある業態と言えば代表的なのが「居酒屋」や「焼き鳥屋」です。
居酒屋で勝とうと思うのであれば、私なら迷わず、ニッチな場所に出店します。
そして、近隣の方に毎日でも来たくなる商品とサービスで徹底的に差別化を図ったお店を出店するでしょう。
逆に、繁華街で居酒屋を出店したとしても、大手や老舗など競合がひしめいているので、認知を上げるのに一苦労、そして家賃も高い。
成功する要素を見つける方が大変ですね。
今度は、ニッチな業態を考えてみましょう。
食べに行こうと思う人が少ない業態(市場規模が小さい業態)がニッチな業態です。
あくまでも例ですが「あまり聞いたことの無い国の料理」を各駅しか止まらない駅で、更に10分歩いたところにあったらどうでしょうか?
チャレンジする事はとても素晴らしいですが、ちょっと厳しそうですよね。
ニッチな業態は商圏の大きな場所、繁華街に出すがセオリーなのです。
これが「原理原則」です。
しかし、この「原理原則」だけに縛られては面白い事は出来ません。
4つの差別化ポイントを掛け算のようにMIXさせる事で可能性は無限大に広がるのです。
そして、宿泊施設があると、ニッチ業態でも商圏を広げる事が出来、更にチャンスが広がります。
例えば、カレー屋さんを4つのポイントを掛け合わせて差別化戦略を想像してみましょう。
「商品」
千葉のカツオ節を出汁に使い、地元の野菜やなまり節をソテーしたものを載せたカレー。
題して『外房カレー』
漁港で揚がった「新鮮な魚を使った前菜」に「メインは地元の鶏肉のロースト」そして「外房カレー」で〆、「庭で取れた夏みかんを使ったクレームダンジュ」といったコース仕立て。
「価格」
コースで3980円
「サービス」
ソムリエがいて、ワインやサービスにもこだわる。
「エリア・場所」
漁港を見下ろす高台。
更に3組限定で泊まれる「ゲストハウス」がついている。
如何ですか?
他にはない、差別化されたお店のイメージがしませんか?
さあ、あなたも今までにないあなたオリジナルの業態をつくってみましょう!
「失敗したくない!田舎で飲食店、宿、ゲストハウスを開業をするならCOBERGE(コーベルジュ)が正解。」はこちらから。
5-2 コンセプトを言葉に整理するコツ
これまでコンセプトを設計するポイントを解説してきました。
ここでは「コンセプトを言葉に整理するコツ」を解説します。
言葉に整理するコツは「6W1H1G」を使って整理する事です。
むむむ?
「5W1H」はきっとご存じですよね。
そうですそう。あの「ホウ・レン・ソウ」とかで良く使われる言葉。
「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」という伝達事項をもれなくスムーズにするためのキーワードですね。
コンセプトを言葉するコツは、このベースに「W・G」を1つづつ追加します。
順番に解説していきますね。
WHY (なぜ?)‐‐‐ 時代背景や市場規模からこの事業を起業する目的は?
GOAL(ゴール) ‐‐‐ お客様に言われたい言葉(状態目標)は?
WHO(誰が) ‐‐‐ 誰が、誰と(プロフィール)やるか?
WHOM(誰に) ‐‐‐ ターゲットは誰か?
WHAT(何を) ‐‐‐ 業態は何か?何屋か?
WHERE(どこで)‐‐‐ どこで(場所)やるか?
WHEN(いつ) ‐‐‐ いつやるか?
HOW(どのように)‐‐‐ 差別化、プロモーション方法は?
このキーワードを基にコンセプトを言葉にしてみましょう。
コンセプト作りは、色々とシュミレーションし、頭の中に「映像」としてイメージ出来る事がゴールです。
シュミレーションでの失敗は大いに結構。
お店をオープンしてからでは遅いですからね。
様々な角度から自分のやりたいと思う、負けない業態コンセプトを作り出してみてみましょう!